このウェブサイトは、福岡アジア美術館が、同館で蓄積してきた記録・情報・ネットワークを生かして制作・運営している、近代化以後現代までのアジア美術の理解を深めるための手引きとなる学び(ラーニング)の場です。
アジア現代美術が日本に本格的に紹介された1980年代末から現在に至るまで、日本では多数のアジア作家の展覧会・イベント・国際会議・レジデンス(長期滞在制作)などがおこなわれてきました。時代をさらにさかのぼれば、日本に紹介されたアジア作家は相当な数になり、出版された展覧会図録なども少なくありません。しかし、図書館で利用できる展覧会の出版物は十分ではなかったり、インターネット上で検索できなかったり、一部の美術館でしか閲覧できなかったりします。アジア近現代美術の全体像を知るための本は皆無に近く、大学等で近代以後のアジア美術を教える課程もほとんどない状態は変わりありません。
そこでこのサイトでは、近代以後のアジア美術の流れを理解し、また特に日本との美術交流の歴史を手軽に知り、少しでもアジアの文化・歴史に興味のある方々を、近現代美術へいざなうために制作されました。このサイトは、下記の2部構成になっています。
日本とも欧米とも異なる展開をしたアジア近代・現代美術の歴史を理解するための基本用語(ジャンル、美術グループ・運動、技法、展覧会など)を知ることできます。 現時点では限られた美術用語だけですが、今後は、国・地域別の解説や、重要作家の紹介などを加え、コンテンツを充実させていきます。
「年表」と「文献」のデータベースです。
「年表」では、時代や国・地域ごとの美術の展開を調べたり、同じ時代の異なる地域を比較したり、二国以上の美術交流を調べるなど、検索・ソート機能を使って様々な発見に導かれます。
この「年表」はアジア各地の美術の展開を総合的に見ることができるこのサイトの根幹をなす部分ですので、検索をしなくても年代順に一覧でご覧いただけるようにしています。
現在公開されている重要な美術史事項に加えて、今後は、日本で開かれたアジア作家の展覧会やイベントなどを加え、日本とアジアの交流の事績を加えていきます。
また今後は「文献」データベースを充実させて、日本語での学習から出発する方々のために、これまでに日本語で出版された文献(展覧会図録、書籍、論文など)から、入門的な概説から専門的に深めた研究まで、ユーザーの興味にあわせて、おすすめ文献を検索できることを計画しています。