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用語集

ビルマ初期洋風画

近代に向かう混成文化

1886年にイギリスの植民地となったビルマのマンダレーでは、旧王朝の宮廷絵師やその弟子たちが、裕福な生活をおくる王族や貴族のイメージを、西洋絵画の遠近法や陰影法を取り入れながら優美に描いた。それらはしばしば、宝石象眼や金箔などの伝統工芸の技法を人物の服飾に併用して、装飾的に仕立てられている。ビルマ特有の華麗な初期洋風画は、王侯貴族が亡くなったとき寺院に奉納された風俗画である。絵の背景には、洋風の建築や街並み、洋風の室内や家具、楽器や煙草やパラソル、車などが描き込まれ、ビルマの近代化が示されている。

サヤー・ソオ 《王室の肖像》 19世紀末―20世紀初頭 グワッシュ・布

サヤー・エー 《ビルマ人親子》 1909 グワッシュ・布

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