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用語集

パキスタン現代細密画

現代アートに復活した伝統絵画

イスラーム文化圏で写本装飾として発展した細密画は、アジアにおいてはインド全域を統一したムガール朝時代(1526~1858年)に全盛を迎えた。のちにインドではその伝統は衰退したが、イスラーム国家であるパキスタンではラホールの国立芸術大学出身者を中心に、その技術が脈々と受け継がれている。手すきの紙(ワスリ紙)に鉱物顔料、リスの毛の筆、貝殻のパレットなど、伝統的な画材と技法は守りつつも、主題に関しては、かつては為政者の肖像画や神話などが描かれていたが、現代では政治や社会、ジェンダー、家族など、幅広いテーマで今日的な内容が描かれている。こうした伝統美術から現代美術への転換は、1990年代初頭のシャジア・シカンダー(1969年~)の登場がきっかけとなり、その後アーイシャ・ハーリド(1972年~)、ムハンマド・イムラーン・クレイシー(1972年~)らが続いたことで大きな波となった。

アーイシャ・ハーリド 《形×模様 #2》 2000 水彩・紙

ハーディム・アリー 《誰もいない台所 5》 2006 水彩、鉛筆、金箔ほか・紙(2枚組)

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