中国初の現代美術グループ~表現の自由を求めて
中国共産党の指導統制による美術に反旗を翻し、個人の自由な表現を求める運動をおこなった、中国最初の現代美術グループ。ホアン・ルイ(黄鋭 1952~)、マー・ドーション(馬徳升 1952~)、チュー・レイレイ(曲磊磊 1951~)ら若い芸術家たちによって結成された。文革中唯一の太陽と崇められた毛沢東に対抗し、自らを「星星(シンシン)」と呼んだ。彼らは1979年9月に、北京の中国美術館横の空き地でゲリラ的に野外展を開催したが、すぐに当局が干渉し、主要メンバーを連行、展覧会は中止となり、これを不服として抗議デモが開催された(星星事件)。翌1980年には中国美術館で第2回展を開催し、同館の最高入館者数となる8万人の観客を動員したが、当局の取り締まりが厳しくなり、主要メンバーは続々と国外へと拠点を移し、事実上解散となった。その作品は必ずしも独創的とはいえなかったが、その果敢な実験精神と、政治や社会に対する批判精神は、中国現代美術の原点ともいえる。
ホアン・ルイ(黄鋭) 《紫禁城》 1981 油彩・画布
ワン・コーピン(王克平) 《万々歳》 1978 木、ビニール