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用語集

モンゴル画

若者感覚で伝統を復活

モンゴルで西洋美術を受容する以前からあった伝統的な技法による絵画(ゾラッグ)を指す。モンゴルは、ソビエト連邦の後押しを受けて、1924年に社会主義国として独立するが、仏教が禁止されたために、それまでモンゴル画の中心的な画題であった仏画は描くことができなくなった。また国主導で積極的に西洋美術の受容がなされたことから、独立からしばらくの間、モンゴル画は忘れられた存在となった。その後1960年代からヤダムスレン(1905~1986)らの画家によってモンゴル画復興の動きがあらわれ、社会主義的な主題やモンゴルの伝統にねざした風俗画などが描かれるようになった。さらに2000年代以降、モンゴル国立大学の卒業生によって、現代的な主題を描く新しい展開がおこっている。モンゴル画は、本来は鉱物顔料を用いて描かれていたが、現代のアクリル画や水彩画もモンゴル画に含まれ、またモンゴル特有の技法であるアップリケ作品もモンゴル画とみなされている。

 

 

オノンギーン・ウルジンハンド  《父の不在》 2010 グワッシュ・綿布

ガンボルディン・ゲレルフー 《欲望》 2012 水彩・画布

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