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用語集

インドシナ美術学校

フランス美術+伝統技法

すでにフランスのインドシナ統治の拠点であったハノイに、1925年、インドシナ美術学校(現ハノイ美術学校)が開かれた。ヴィクトール・タルデュー(1870~1937)やジョゼフ・アンガンベルティ(1896~1971)らフランス人によって印象派の美術が紹介され、ト・ゴク・ヴァン(1906~1954)やレ・フォー(1907~2002)、ルオン・シュアン・ニー(1913~2006)らがここで学んだ。彼らは西洋の新鮮な表現を借りてベトナムの普通の人ぴとを静謐かつ清楚に描いた。またナショナリズムの高まりを背景に、美術家たちは絹絵や漆絵をベトナムの伝統として見直しそこに独自性を求める。グエン・ファン・チャン(1892~1984)やグエン・ザー・チー(1908~1993)は、庶民の日常をテーマにモダンで詩的な表現を取り入れ、近代美術としての絹絵や漆絵を確立した。ベトナム独自の表現は油絵の絹絵を想わせる柔らかいスタイルにも見られる。しかし、インドシナ美術学校を中心としたフランス風の近代美術運動は、1945年に抗仏戦争が始まると衰退、長い戦争のなかで社会主義リアリズムに取って変わられた。

ト・ゴク・ヴァン 《二人の女性と幼児》 1944 油彩・画布

グエン・ファン・チャン 《オーアンクァン遊び》 1931 水彩・絹

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