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用語集

タントラ絵画

ミニマルで瞑想

タントラとは、7世紀以降に成立した女性原理を教義の中心とするヒンドゥーの秘儀的な聖典の総称であり、ヒンドゥー以外にも仏教、ジャイナ教などに影響を与えている。こうした経典に挿図として描かれた、タントラの世界観を抽象化した図様をタントラ絵画と呼んでいる。代表的な画家ラージャー・バブ・シャルマー(1956年~)は若い頃、祖父の書庫で見た写本のタントラ絵画に魅了されて研究を始め、1970年代半ばにタントラ経典の写本に着手した。その伝統的図様を忠実に継承した作品は、1989年にパリで開催された「大地の魔術師たち」展で紹介された。西洋のモダニズム絵画とは異なる背景から生まれた抽象絵画であり、インド特有のモダニズム絵画へと展開した。

ラージャー・バブ・シャルマー 無題 1989 グワッシュ・紙

作者不詳 (タントラ)  無題 1985年頃 グワッシュ・紙

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