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用語集

ミティラー画

フォーク・アートの展開―壁から紙へ

ミティラーとは、インド東北部に位置するビハール州北部およびネパール東南部にまたがる地域の名称である。ここでは女性たちが祭りや儀礼のたびに、家の壁や床に太陽や月、インドの神話や土地の神々、動物、幾何学的な文様を描き、安寧と豊穣を願う伝統があり、その技法や文様は3000年の昔から母から娘へと受け継がれてきたといわれる。こうした伝統的な絵画が民俗画として注目されたのは、インド政府の文化政策の一環で、この地方を襲った自然災害から立ち直るための収入源として、女性たちが紙に描き、販売するようになったからである。

ボウワー・デーヴィー クリシュナと牛 1996-97 墨、顔料・コンクリート疑似壁

ヤムナー・デーヴィー 亀 1989 墨、顔料・コンクリート疑似壁

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