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用語集

中国画

主題的には大きく人物、山水、花鳥の3種、技法的には紙・絹の支持体に顔料・墨を用いる着色画と、墨のみを使う水墨画の2種に分けられる。着色画はさらに輪郭線の内に彩色する鉤勒填彩(こうろくてんさい)画法と、輪郭線なしで彩色する没骨(もっこつ)法に分かれる。20世紀初頭、日本留学から帰国した高剣父(ガオ・ジエンフ)は、広州を拠点に伝統的中国画の墨筆画法に日本画の装飾的色彩を折衷した写実的な国画を提唱(嶺南派・折衷派)。同じ頃、上海では立体感や明暗表現を持つように中国画の改良運動が始まり、西洋画法を取り入れた「新国画」様式が誕生する。解放後(編注、1949年の中華人民共和国成立後)は中国画も社会主義美術の路線を進み、工農兵(労働者・農民・兵士)、解放戦争、社会主義建設などが多く描かれるが、改革開放を経た現在、その主題や技法は多様化している。

(堀川理沙)

初出=「作品ジャンルで知る中国美術」、特集「入門★中国美術」、『美術手帖』887号(2006年10月号)、75頁

 

 

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