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用語集

漫画・連環画

中国の漫画は、19世紀末から20世紀初頭、日本・欧米の例を参照して政治風刺のメディアとして始まった。茎本的にはひとコマの形式をとる。連環画は「一絵一文」、つまり一枚の絵に一文を添えた画面を連続させてひとつの物語をつづるもので、1920年代頃に現在の形式が成立した。その通俗性に着目した魯迅が、木刻運動とともに発展させた。技法的には、伝統的な国画の技法に明確な輪郭線と西洋画の陰影法を用いた表現が特色で、古典故事から現代小説まで幅広い題材を描く。今日ではデジタル技術でつくられた「連環画」が「全国美術展」で発表されるなど、新しいあり方が模索されている。

(堀川理沙)

初出=「作品ジャンルで知る中国美術」、特集「入門★中国美術」、『美術手帖』887号(2006年10月号)、75頁

 

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